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費用の公的な目安は港区のパンフレット、補助金は東京都と都内の区市町村のページとQ&A、工事の資格は経済産業省、無線の機器は総務省、ネットワークの安全は港区とNOTICEの資料を、2026年9月24日までに確認して書いています。業者の目安は、検索上位の記事を当サイトが読み比べた結果です。特定の業者や商品はすすめておらず、この記事に広告リンクはありません。
家の前に防犯カメラを付けたいと思って調べ始めると、最初につまずくのが費用です。数千円で買えるカメラもあれば、工事込みで20万円を超えるという記事もあります。どれが自分の家に当てはまるのか、見積もりを取る前に見当をつけておきたいと思う人は多いはずです。
この記事では、まず公的機関が示している金額と、業者の記事に書かれている金額を分けて並べ、それぞれの金額に何が含まれているのかを整理します。次に、東京都内で使える補助金について、上限額と、申請で落ちやすい条件を区市のQ&Aの原文から確かめます。最後に、自分で付ける場合の電気工事の資格、Wi-Fiの機器の技適マーク、初期パスワードの注意をまとめます。読み終えたときに、自分の家ならいくら用意し、どこに何を確かめればよいかが分かることを目指しています。

防犯カメラの設置費用に「公的な相場」はない
最初にお伝えしておきたいのは、防犯カメラの設置費用について、国がまとめた価格の統計は見つからなかったということです。ネット上で「相場」として書かれている金額の多くは、カメラの販売や工事をしている会社が示している目安で、根拠となる集計は書かれていません。
その中で、公的機関が金額を示していた例が1つだけありました。東京都港区が、防犯対策の助成事業のパンフレットに載せている「参考価格」です。この記事では、この港区の参考価格を公的な目安の軸にし、業者の記事の金額は「幅」として見ていきます。
港区の参考価格は、防犯カメラシステムで約30,000~100,000円
港区は住まいの防犯対策助成事業のパンフレット(令和8年度)に、助成の対象になる防犯対策ごとの参考価格を載せています。そのうち、カメラと家まわりの機器に関係するものを抜き出すと次のとおりです。

| 対策 | 港区の参考価格 |
|---|---|
| 防犯カメラシステムの取付け又は交換 | 約30,000~100,000円 |
| 見守りカメラ設置又は交換 | 約20,000~50,000円 |
| カメラ付きインターホンの取付け又は交換 | 約20,000~50,000円 |
| センサー付アラームの取付け又は交換 | 約10,000~30,000円 |
| 防犯砂利の設置又は交換 | 約10,000~20,000円 |
| センサー付ライトの取付け又は交換 | 約5,000~15,000円 |
| ダミーカメラの取付け又は交換 | 約2,000~5,000円 |
| 防犯シールのはりつけ | 約500~2,000円(1枚あたり) |
区はこの表に「※上記表中の金額はあくまで工事や設置等に係る参考価格を記載したものです。」と書き添えています。区が示しているのは、工事や設置を含めたときの参考の金額ということです。それでも、公的機関が防犯カメラの金額を具体的に示している資料は、今回調べた範囲ではこれだけでした。
同じパンフレットには、吹き出しとして「去年に防犯カメラを購入した時、この制度を利用したけど ☆購入金額6万円 自己負担額2万円」という例も載っています。6万円は参考価格の約3万〜10万円の中に入る金額です。補助を使ったときの計算は、後の章で詳しく見ます。
業者の記事の目安は、7,000円から50万円まで開く
次に、Yahoo!で「防犯カメラ 設置費用」と検索し、上位に出た記事を当サイトで読み比べました。1台あたりの目安として書かれていた金額を、頼む先ごとにまとめると次のようになります。記事の名前は出していません。

| 頼む先 | 業者の記事に書かれていた目安(1台) |
|---|---|
| 電気工事業者 | 1万〜5万円(設置工事のみ) |
| 家電量販店 | 本体2万〜8万円、工事費は別に見積もり |
| 防犯カメラの専門店 | 8万〜15万円(本体込み)。10万円〜15万円と書く記事もある |
| リフォーム会社 | 8万〜15万円(本体込み) |
| 警備会社 | 20万円〜(本体込み)。25万円〜50万円+月額3,000円〜と書く記事もある |
| 設置の作業だけを頼めるサービス | 7,000円〜3万円(最安は7,000円〜、2024年3月時点) |
最も安い表示は7,000円、最も高い表示は50万円でした。ただし、この2つを同じ物差しで比べることはできません。7,000円は設置の作業だけの料金で、カメラ本体の代金は入っていません。50万円のほうは、警備会社がカメラと工事をまとめて請け負い、さらに月々の管理費がかかる形の金額です。
ほかにも、トータルで150,000円前後、高ければ400,000円ほどと書く記事や、家庭用のカメラは1台あたり5,000〜30,000円程度が主流と書く記事がありました。工事費込みで1台20万円〜、4台40万円〜、8台70万円〜と台数別に示す記事もあります。どの記事が正しいかを決めることはできません。それぞれの記事が、別のものの値段を書いているからです。
同じ頼む先でも、記事によって数字がずれています。電気工事店の設置費用を4万円〜5万円とする記事がある一方、電気工事業者は設置工事のみを1万円〜5万円程度と書く記事もあります。カメラ本体についても、5,000円程度の手軽な価格で買えるものがあると書きながら、最低でも1台10,000円~30,000円かかると書く記事がありました。屋内用の見守りカメラなら1台1,000円〜2万円程度の簡易的なカメラがあるという記事もあれば、業務用は1台50,000〜150,000円以上とする記事もあります。
こうしてみると、同じ「防犯カメラの設置費用」という言葉の下に、屋内の簡易なカメラから店舗向けの業務用まで、まったく別の商品が並んでいることが分かります。自分が調べているのが、家の外に付けて録画するカメラなのか、室内の見守り用なのか、お店や会社のカメラなのかを先に決めておくと、参考にすべき数字がかなり絞れます。家の外に付けるカメラの費用を知りたいなら、公的な目安としては港区の約30,000~100,000円、業者に本体込みで頼むなら8万〜15万円と書く記事が多い、というのが今回読み比べた範囲での見え方です。
見積もりを比べる前に、金額に何が入っているかをそろえる
業者の記事の金額を読み解くと、大きく4つの種類が混ざっていました。

| 金額の種類 | 目安 | 中身 |
|---|---|---|
| 工事だけ | 1万〜5万円 | カメラは自分で買って渡す |
| 本体と工事のセット | 8万〜15万円 | 専門店やリフォーム会社 |
| 警備会社 | 20万円〜 | 月額の管理費がかかる例もある |
| 業務用の総額 | 屋内10万〜20万円、屋外15万〜30万円 | 店舗や会社向けの記事の数字 |
家の防犯カメラの費用を調べているのに、店舗や会社向けの業務用の数字を見て「20万円以上かかる」と思い込んでしまうことがあります。逆に、設置作業だけの7,000円を見て、カメラ込みでその値段だと勘違いすることもあります。見積もりを比べるときは、カメラ本体、録画する機器、取り付けの工事、スマートフォンの設定のどこまでが入った金額かを、業者ごとにそろえて聞くのが確実です。

買った後にかかるお金も見ておく
防犯カメラは付けて終わりではありません。業者の記事には、使い続けるための費用として次のような例が書かれていました。

| 項目 | 業者の記事に書かれていた目安 |
|---|---|
| 電気代 | 約6,000円/年 |
| ハードディスクの交換 | 約30,000円〜/3年 |
| 警備会社の管理費 | 月額3,000円〜 |
電気代とハードディスクの交換は、ある記事がランニングコストとして表にしていたものです。警備会社に頼む形では、別の記事が月額3,000円〜の管理費を挙げていました。どれも業者の目安で、根拠の集計は書かれていません。見積もりの段階で、付けた後に毎年いくらかかるかも聞いておくと、業者どうしを比べやすくなります。
東京都内なら、どの区市町村でも補助の対象になる
東京都は令和8年度東京都防犯機器等購入緊急補助事業として、家に付ける防犯機器の購入を補助しています。都のページには「令和7・8年度における2年間の緊急対策として実施しています。」「本事業は区市町村を通じた間接補助となっています。」「申請先はお住まいの区市町村です。」と書かれています。都に直接申し込むのではなく、住んでいる区市町村の制度に申し込む形です。都は2年間の緊急対策と書いているので、同じ内容の補助がこの先も続くとは限りません。カメラを付けるつもりなら、今の年度の受付がいつまでかを、住んでいる区市町村のページで早めに確かめておくのがよいでしょう。
当サイトで都内53自治体の個人向けの制度を調べたところ、53自治体すべてで防犯カメラが補助の対象になっていました。ダミーカメラを対象に挙げていたのは25自治体です。ただし、上限額や対象になる条件は自治体ごとに大きく違います。

| 上限額(個人・1世帯) | 自治体の数 |
|---|---|
| 1万円 | 14 |
| 1万5,000円 | 7 |
| 2万円 | 13 |
| 2万5,000円 | 1 |
| 3万円 | 11 |
| 4万円 | 2(港区・世田谷区) |
| 5万円 | 2(葛飾区・武蔵野市) |
| 6万円 | 1(台東区) |
| 品目別に決まっている | 2(荒川区・足立区) |
合計は53自治体です。上限が1万円の自治体が14あり、多くの自治体は3万円までに収まっています。住んでいる区市町村の上限と条件は、東京都の防犯補助金まとめで一覧にしています。
6万円のカメラなら、自己負担は2万円前後になる例がある
補助を使うと実際にいくらになるのか、区が資料で示している計算例を2つ並べます。どちらも6万円の防犯カメラの例です。

| 港区 | 足立区 | |
|---|---|---|
| 補助の決まり | 費用の4分の3、上限40,000円 | 都の分(2分の1、上限1万円)+区の分 |
| カメラの費用 | 6万円 | 60,000円 |
| 補助の額 | 40,000円 | 43,300円(都10,000円+区33,300円) |
| 自己負担 | 2万円 | 16,700円 |
港区の制度では、補助は費用の4分の3(100円未満切り捨て)で、上限は40,000円です。6万円の4分の3は45,000円ですが、上限の40,000円で止まるため、自己負担は2万円になります。パンフレットの吹き出しの数字と同じです。港区は費用が5,000円以上であることが条件で、支払った日から90日以内に申請する決まりです。足立区の申請手続きのご案内では、6万円のカメラで交付額は43,300円(都10,000円+区33,300円)と示されています。
港区の制度の細かな条件は港区の防犯補助金、足立区は足立区の防犯補助金で詳しく書いています。

補助の申請で落ちやすい5つの条件
補助の条件は自治体ごとに違いますが、区市のQ&Aを読み比べると、防犯カメラで特につまずきやすい点が見えてきます。ここでは、どの自治体の資料に書かれているかを示しながら、5つにまとめます。自分の区市町村に同じ決まりがあるかどうかは、必ずその自治体のページで確かめてください。
1. 工事費を補助に入れるなら、業者に付けてもらう
防犯カメラを家族や知り合いに付けてもらったり、自分で取り付けたりすると、工事にかかった費用は補助の対象にならない自治体があります。

| 自治体 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 昭島市 | 「設置費は、専門業者が設置したものに限り補助となります。」 |
| 調布市 | 「※設置工事費用は、設置工事を事業として行う専門業者による設置に限る。」 |
| 足立区 | 知人への謝礼は「なりません。安全面等の観点から、専門業者の領収書があった場合に限り補助対象とします。」 |
| 江戸川区 | 自分で設置した部材は「対象外です。」。対象外の例に「ご自身で取付けを行った場合の部材、配線、取付金具」 |
| 千代田区 | 自分で取り付けた部材や材料は対象外。知人への謝礼も対象外 |
カメラ本体の代金だけなら対象になる自治体でも、取り付けの金具や配線まで含めて補助を受けたいなら、業者に頼んで領収書を受け取っておく必要があります。安く済ませようと自分で付けた結果、補助で戻るはずだった分を失うこともあるので、先に自治体の条件を読んでおくのが安全です。

2. 室内に置いたカメラは、外を映していても対象外の区がある
窓の内側にカメラを置いて外を映すやり方は手軽ですが、補助の対象外になる区があります。

| 自治体 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 千代田区 | 「室内に設置したカメラは、たとえ室外を撮影するものであっても対象となりません。」 |
| 中野区 | 「補助の対象になりません。防犯カメラ、センサーライト・アラームは、室外に設置し、侵入防止を図る機器ですので、室内の設置は対象外です。」 |
| 文京区 | 「防犯カメラ(住宅への侵入盗を防ぐため、屋外に設置してあるものに限る。見守りカメラ等、屋内を撮影しているものは対象外)」 |
| 調布市 | 「侵入盗対策として、侵入者が認識できる方法で屋外に設置したものに限るため、見守りカメラは対象外」 |
| 墨田区 | 「屋内を撮影するカメラは、防犯対策(侵入者対策)に資するものではないため、補助対象外です。」ダミーカメラも対象外 |
一方で、港区のように見守りカメラも対象に含めている区もあります。室内のペットカメラや見守りカメラを買う予定の人は、住んでいる区市町村の対象品目の一覧で、屋内のカメラが入っているかを確かめてください。
3. マンションに住んでいる場合は、同意と画角に注意
共同住宅に住んでいる人は、補助の条件がさらに細かくなります。立川市のよくある質問には「原則として、プライバシーの観点から共同住宅にお住まいの方は、防犯カメラの補助申請はできません。」と書かれています。理由として、立川市の対象機器のQ&Aは「マンション・アパートなどの共同住宅では共用部分に撮影範囲が及ぶことが予想され、近隣住民のプライバシーを侵害する可能性が高い」ことを挙げています。

中野区のQ&A集は、自宅前の廊下に付ける場合について「自宅前の廊下であり、画角が自宅玄関を映す場合は、補助の対象となります。」「画角がエントランスを向いていたり、画角の大半が廊下を映す場合は、補助の対象外となります。」と、映す向きで線を引いています。
共用部分と同意書の扱いも、区ごとに書き方があります。文京区のよくある質問は、分譲マンションについて「窓や玄関などは専用使用権の付いた共用部分とみなし申請可能です。」とする一方、エントランスや駐輪場などの共用部分は「本事業は、個人による世帯ごとの申請となるため、補助対象になりません。」としています。また「持家・分譲・賃貸等を問わず、申請が可能です。ただし、共同住宅や賃貸物件での設置の際は、所有者や管理者等の承諾が必要」とも書いています。千代田区のQ&Aでは、自分で所有する共同住宅でも、玄関入口の外側やベランダのような専用使用権のある共用部分に防犯カメラを付けるなら、同意書が原則として必要です。賃貸住宅は、戸建てを含めて所有者や管理者等の同意書が要るとしています。

4. 映すのは原則として自分の敷地内
一戸建てでも、カメラが映す範囲には決まりがあります。

昭島市は「撮影範囲は住宅等の敷地内とし、近隣住民等のプライバシー保護に留意してください。」「やむを得ず住宅等の敷地外が撮影範囲に入る場合は、撮影範囲に入る住宅等その他の物の所有者、または管理者等に事前説明を行い同意を得てください。」と書いています。江戸川区も「(1)設置場所・撮影範囲が住宅の敷地内であること」「(2)やむを得ず住宅の敷地外が撮影範囲に入る場合には、撮影範囲内の住宅等の所有者または使用者の同意を得ること」を条件にしています。
向かいの家の玄関や窓が映り込むと、補助の条件から外れるだけでなく、近所との関係にも響きます。取り付ける前に、スマートフォンの画面で実際の映り方を確かめ、隣の家が入るなら角度を変えるか、先に声をかけておくのがよいでしょう。
5. リースとレンタルの扱いは、区によって逆になる
カメラを買わずに借りる方法を考えている人は、補助の扱いに注意が必要です。

同じ東京都内の区でも、ここまで扱いが違います。月額で借りる形を選ぶ前に、住んでいる区市町村の対象外の一覧を確かめてください。
迷惑行為への対策なら、港区は無料でカメラを貸している
買う前に試したい、または落書きなどの迷惑行為に一時的に備えたいという場合、港区には防犯カメラ貸与事業があります。

区のページには「落書きや不法投棄等の迷惑行為を受けた建物等の所有者または管理者の皆さんに、屋外に設置できる「防犯カメラ(トレイルカメラ)」を無償で貸与します。取付け・取外しの費用も区が負担します。※電池代等の維持管理費は申請者負担となります。」と書かれています。貸す期間は「原則として3か月とし、必要に応じて3か月を限度に延長します。」です。対象は区内に住む人のほか、中小企業者、マンション管理組合、町会・自治会等の地域団体で、区内の建物等の所有者または管理者です。問い合わせ先は、区の防災課 生活安全推進担当(03-3578-2270)です。
自分で付けるなら、電気工事士の資格が要る作業を知っておく
費用を抑えるために、カメラを自分で取り付けたいと考える人もいると思います。ここで知っておきたいのが電気工事士法です。経済産業省のページには「電気工事は、電気工事士等の資格がなければ行う事ができません(電気工事士法第3条)」と書かれています。

| 作業の例(経済産業省の資料から) | |
|---|---|
| 資格がなくてよい作業の例 | 差込プラグにコードをつなぐ工事など。インターホンなどに使う小型変圧器(二次電圧36V以下)の二次側の配線工事 |
| 資格が要る作業の例 | 電線を壁や柱などに直接取り付ける作業。電線管やダクトに電線を収める作業。コンセントなどの配線器具を取り付ける作業(露出型コンセントの取り換えは除く) |
経済産業省の「軽微な工事」の資料では、差込み接続器とは「差込プラグ(オス側)とプラグ受け(メス側)のことです。」と説明しています。資料の説明に照らすと、差込プラグの付いたカメラを今あるコンセントにつなぐだけなら、資格が要る作業には当たらないと読めます。ただし資料は「電気工事士資格が不要となる作業は、上記の接続器や開閉器とコード又はキャブタイヤケーブルを接続する工事に限られます。」とも念を押しています。
資格が要らない工事には、もう1つ、インターホンや火災感知器などに使う小型変圧器の二次側の配線工事が挙がっています。資料は「インターホーンや火災検知器などを設置する際、小型変圧器で降圧された電圧36V以下の配線工事は、電気工事士資格が不要となります。」と説明しています。カメラ付きインターホンを付け替えるときに、この説明が関わってくることがあります。
一方、資格が要る作業として「配線器具を造営材その他の物件に取り付け、若しくはこれを取り外し、又はこれに電線を接続する作業(露出型点滅器又は露出型コンセントを取り換える作業を除く。)」が挙がっています。ほかにも、電線を直接造営材その他の物件に取り付ける作業や、電線管、ダクトなどに電線を収める作業が並んでいます。外壁に配線を固定したり、壁の中に電線を通したりする作業は、これらに当たるかどうかを確かめる必要があります。
自分の考えている工事がどちらに当たるかは、カメラの電源の取り方や、配線をどこに通すかで変わります。判断に迷ったら、電気工事士のいる業者に確かめてください。前の章で見たように、工事費を補助に入れるには専門業者の設置が条件になっている自治体もあります。自分で付けるか業者に頼むかは、補助の条件と合わせて決めるのが安全です。
Wi-Fiでつなぐカメラは、技適マークを確かめる
スマートフォンで映像を見られるカメラの多くは、Wi-Fiでつながります。無線を使う機器を日本で使うときに見ておきたいのが、技適マークです。

総務省の技適マーク・技適制度に関するQ&Aは、技適マークについて「電波法令で定めている技術基準に適合している無線機であることを証明するマークで、個々の無線機に付けられています。」と説明しています。そのうえで「特に、特定小電力のトランシーバー、家庭やオフィスで使用するWi-Fi(無線LAN)、コードレス電話、Bluetoothの機器などは、技適マークが付いていれば、無線局の免許を受けないで使用できます。」としています。
Wi-Fiの機器について、同じQ&Aは「Wi-Fi(無線LAN機器)にも技適マークがついています。」と書いています。スマートフォンで映像を見るタイプのカメラは、カメラ本体とWi-Fiでつながるものが多いので、カメラ本体に技適マークがあるかを確かめる意味があります。
逆に、同じQ&Aは「技適マークの付いていない無線LAN機器の使用は電波法違反(※)になる恐れがあります。」と注意しています。電波法違反は、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です。マークの場所については「多くの場合、無線機の型式名称や製造者が記載された銘板の中に表示されています。」とあり、画面に表示する機器もあります。通販で安いカメラを買う前に、商品の説明や本体で、技適マークがあるかを確かめてください。
インターネットにつなぐなら、初期パスワードを必ず変える
防犯のためのカメラが、使い方によっては逆に家の様子をのぞかれる入り口になることがあります。港区の防犯カメラの情報セキュリティについてには「ネットワーク(IP)カメラを初期パスワードのまま利用していたなどの原因により、防犯カメラに不正にアクセスされ、個人情報流出の危険性が生じる事例が発生しています。」と書かれています。

| 港区のチェックリストの項目 | やること |
|---|---|
| むやみにカメラをインターネットに接続しない | 外から見る必要がなければ、つながない設定にする |
| カメラのパスワードは初期値から変更する | 買ったときのパスワードのまま使わない |
| Web以外の不要なサーバ機能は停止する | 使わない機能は設定画面で切る |
| カメラの製品サイトを確認し、バージョンアップする | 新しいソフトが出ていないかを見る |
区はさらに「スタンドアロン(記録一体型)カメラでも映像データのダウンロードに無線LANを使用している場合、不正アクセスのリスクがあります。」と注意しています。インターネットにつながないカメラでも、無線で映像を取り出すなら油断はできないということです。困ったときの相談先について、区は「各メーカー・保守点検業者等」を挙げています。
総務省と情報通信研究機構などが2019年2月20日から行っているNOTICEも、ネットワークカメラがマルウェアに感染したり不正にアクセスされたりする危険を伝えています。対策として挙げているのは、管理用パスワードを安全性の高いものにすることと、最新のファームウェアに更新することです。

警察と政府広報は、防犯カメラをどう書いているか
防犯カメラを付ける目的は、侵入をためらわせることです。警察庁の住まいる防犯110番には「防犯設備機器(防犯カメラシステム、センサー付きライト、テレビ付きインターホン等)の有効活用は、侵入犯罪の抑止に効果的です。」と書かれています。
政府広報オンラインの住まいの防犯対策の記事は、付け方について具体的です。「センサーライトや防犯カメラを外部から見える位置に設置し、侵入しにくい家であることをアピールします。このとき、防犯カメラはダミーのものではなく、実際に録画機能があるものを選びましょう。さらに、死角が発生しないよう、複数のカメラを取り付けるとなお良いでしょう。」としています。
ダミーカメラは港区の参考価格で約2,000~5,000円と安く、25の自治体が補助の対象に挙げています。ただ、政府広報は録画機能のあるものを勧めており、墨田区のようにダミーを補助の対象外にしている区もあります。費用を比べるときは、この点も頭に入れておくとよいでしょう。
また、警視庁の防犯環境設計による防犯対策は、防犯カメラを「プライバシー等の問題を考慮し、適正な使用方法を遵守し」設置するものとしています。道路や公園などを映すカメラについては、杉並区のように、区や商店会、町会・自治会などが設置するときに基準の届出を求める条例を持つ区もあります。個人の家のカメラはこの届出の対象には挙がっていませんが、映す範囲を敷地内にとどめるという補助の条件は、プライバシーへの配慮の目安として使えます。
見積もりを頼むときに聞いておくこと
ここまでの内容を踏まえると、業者に見積もりを頼むときに聞いておきたいことは、大きく4つに分けられます。どれも、金額の比べ方と補助の条件に関わるものです。
1つ目は、金額に何が含まれているかです。業者の記事の金額は、工事だけのもの、本体と工事のセット、警備会社の月額込みのもの、業務用の総額が混ざっていました。カメラ本体、録画する機器、取り付けの工事、スマートフォンで見る設定のどこまでが見積もりに入っているかを、業者ごとに同じ形で聞きます。
2つ目は、付けた後にかかるお金です。電気代やハードディスクの交換、警備会社の管理費のように、付けた後に毎年かかる費用があるかどうかを確かめます。江戸川区のように、ランニングコストが発生するものを補助の対象外にしている区もあるので、月額の契約を含む形を選ぶときは特に注意が要ります。
3つ目は、補助の条件に合う形で付けられるかです。屋外の外から見える位置に付けるか、敷地の外が映らないか、マンションなら共用部分に当たらないかを、住んでいる区市町村の条件と照らして業者に伝えます。工事費も補助に入れたいなら、専門業者として領収書を出してもらえるかも確かめておきます。
4つ目は、設定の安全です。港区のチェックリストにあるとおり、パスワードを初期値から変えること、使わない機能を止めること、製品のバージョンアップを確かめることを、引き渡しのときに一緒に確認できるかを聞いておくと安心です。
防犯カメラを付ける前のチェックリスト
ここまでの内容を、見積もりを取る前と取り付けた後に確かめる8つの項目にまとめました。

- 見積もりに、本体・録画する機器・工事・設定のどこまで入っているかを確かめた
- 住んでいる区市町村の補助の対象か、上限額と申請の期限を確かめた
- 工事費も補助に入れたいなら、専門業者に頼んで領収書をもらう
- カメラは屋外の、外から見える位置に付け、敷地内を映す
- マンションや賃貸なら、同意書が要るかを確かめた
- Wi-Fiでつなぐ機器は、技適マークがあるかを確かめた
- パスワードを初期値から変え、ソフトを最新にした
- 業者に頼んだら、領収書を残した
よくある質問
防犯カメラ1台の設置費用は、結局いくらを見ておけばよいですか?
公的な相場はありません。公的機関が示している金額は、港区の参考価格で防犯カメラシステムが約30,000~100,000円です。業者の記事では、本体込みで専門店に頼む場合に8万〜15万円と書くものが多く見られました。工事だけを頼むなら1万〜5万円と書く記事もあります。何が含まれた金額かをそろえて、複数の業者に見積もりを取るのが確実です。
補助金は東京都に申し込むのですか?
いいえ。東京都のページは「申請先はお住まいの区市町村です。」としています。都内53自治体すべてで防犯カメラが対象になっていますが、上限額や条件は自治体ごとに違います。
自分で取り付けても補助は受けられますか?
カメラ本体の代金は対象になっても、工事や部材の費用は対象外になる自治体があります。昭島市は「設置費は、専門業者が設置したものに限り補助となります。」とし、江戸川区や千代田区は、自分で取り付けた部材を対象外にしています。
窓の内側に置いて外を映すカメラは補助の対象ですか?
千代田区は「室内に設置したカメラは、たとえ室外を撮影するものであっても対象となりません。」とし、中野区も室内の設置を対象外としています。自治体によって扱いが違うので、住んでいる区市町村の資料で確かめてください。
マンションでも防犯カメラの補助は使えますか?
自治体によります。立川市は、共同住宅に住む人の防犯カメラの補助申請は原則としてできないとしています。中野区は、自宅前の廊下で画角が自宅の玄関を映すなら対象としています。文京区は、共同住宅や賃貸物件での設置には所有者や管理者等の承諾が必要としています。住んでいる区市町村の条件を先に確かめてください。
ネットで買った安いカメラを使っても大丈夫ですか?
Wi-Fiでつなぐ機器なら、まず技適マークがあるかを確かめてください。総務省は、技適マークの付いていない無線LAN機器の使用は電波法違反になる恐れがあるとしています。そのうえで、パスワードを初期値から変え、ソフトを最新にしておくことを、港区とNOTICEが勧めています。
困ったときの相談先
| 相談したいこと | 窓口 |
|---|---|
| 業者の料金や契約のトラブル | 消費者ホットライン 188 |
| 防犯カメラの補助 | 住んでいる区市町村 |
| 港区のカメラの貸与 | 港区役所 防災課 生活安全推進担当 03-3578-2270 |
| カメラのセキュリティ | 各メーカー、保守点検業者 |
| 工事に資格が要るか | 電気工事士のいる業者 |
| 不審な人を見た、異変を感じた | 110番 |
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出典一覧
- 港区「住まいの防犯対策助成事業パンフレット(令和8年度)」
- 港区「住まいの防犯対策助成事業」
- 港区「防犯カメラ貸与事業」
- 港区「防犯カメラの情報セキュリティについて」
- 東京都「令和8年度東京都防犯機器等購入緊急補助事業」
- 足立区「申請手続きのご案内」
- 昭島市 Q&A
- 昭島市 防犯機器の補助のページ
- 調布市「補助対象機器等一覧」
- 千代田区「防犯機器購入等補助金制度」よくある質問
- 江戸川区 防犯機器の補助のページ
- 江戸川区 よくある質問
- 立川市「よくある質問とその回答」
- 立川市「対象防犯機器についてのよくある質問」
- 墨田区「主な問合せとその回答」
- 中野区「Q&A集」
- 文京区 防犯機器の補助のページ
- 経済産業省「電気工事の安全」
- 経済産業省「電気工事士等資格が不要な『軽微な工事』とは」
- 総務省「技適マーク・技適制度に関するQ&A」
- NOTICE(総務省・情報通信研究機構ほか)
- 警察庁 住まいる防犯110番「みんなで侵入犯罪に強いまちづくり」
- 警視庁「防犯環境設計による防犯対策」
- 政府広報オンライン「空き巣や強盗から命と財産を守る『住まいの防犯対策』」
- 杉並区「防犯カメラの設置及び利用に関する条例」
この記事の数字と条件は、2026年9月24日までに各機関のページで確認したものです。補助の受付状況や対象の品目は変わることがあるため、申し込みや購入の前に、各機関のページで最新の内容を確かめてください。




