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警察庁「令和7年の刑法犯に関する統計資料」、警察庁の特設サイト「住まいる防犯110番」、警視庁「令和7年版 東京の犯罪」、全国防犯協会連合会の「防犯性能の高い建物部品目録」(2026年9月2日現在)をもとに、2026年9月23日に確認した内容です。統計はことわりのない限り令和7年の数字です。件数は毎年更新されるため、数字を引用するときは各出典の最新版をご確認ください。
自宅の防犯を考えはじめると、「窓に補助錠」「防犯フィルム」「センサーライト」といった対策の名前がいくつも出てきます。ただ、どれから手を付ければいいのかまでは、なかなか書いてありません。
順番を決める材料は、実は公表されています。警察庁は毎年、住宅がどの手口で、どこから入られたかを件数で公表しています。自分の住まいで実際に多い入り口と手口から手を付けるのが、いちばん外れにくいやり方です。
この記事では、令和7年の統計を住まいの形ごとに並べ直し、手口ごとに「どこから入られるか」と「どう防ぐか」を1本にまとめました。戸建てにお住まいの方も、マンションにお住まいの方も、自分に当てはまるところから読めるようにしています。
なお、この記事では犯行のやり方そのもの(使う道具や破り方の手順)は書きません。防ぐ側が判断できる粒度、つまり「その手口は何を突いてくるのか」「だから何を足せばいいのか」までにとどめます。

令和7年の侵入窃盗を数字で押さえる
まず全体の大きさを押さえます。警察庁の「住まいる防犯110番」によると、令和7年の侵入窃盗の認知件数は4万7,233件で、前年比+9.8%と増えています。このうち住宅を狙ったものは1万7,152件、前年比+7.2%です。
同サイトは「一日当たり約47件の侵入窃盗が発生しており、未だ多くの住宅が被害に遭っているのです。」と書いています。1日に47件というのは、47の家庭が今日も被害に遭っているということです。
侵入窃盗は4年続けて増えている
刑法犯全体で見ると、令和7年の認知件数は77万4,142件でした。警察庁は「平成15年からは減少に転じ、令和3年まで減少してきましたが、令和7年は77万4,142件と、戦後最少となった令和3年から4年連続して増加(前年比4.9%増加)しています。」としています。
侵入窃盗も同じ形をしています。長く減り続けていたものが、令和5年から増加に転じました。

| 年 | 侵入窃盗の認知件数 | うち住宅対象 |
|---|---|---|
| 平成28年 | 76,477件 | 39,249件 |
| 平成30年 | 62,745件 | 31,505件 |
| 令和2年 | 44,093件 | 21,030件 |
| 令和3年 | 37,240件 | 17,283件 |
| 令和4年 | 36,588件 | 15,692件 |
| 令和5年 | 44,228件 | 17,469件 |
| 令和6年 | 43,036件 | 16,000件 |
| 令和7年 | 47,233件 | 17,152件 |
検挙のほうは逆に動いています。令和7年の検挙件数は2万4,489件で前年比-1.6%、検挙人員は5,253人で前年比+1.9%でした。検挙率は51.8%、住宅で発生したものに限ると46.3%です(警察庁「令和7年の刑法犯に関する統計資料」)。認知件数が増え、検挙率が下がっている年だと読めます。
住宅の被害には数え方が2つある
ここで、記事や資料を読むときに混乱しやすい点を先に片付けておきます。住宅の侵入窃盗には、公表されている数え方が2通りあります。

| 数え方 | 中身 | 令和7年 |
|---|---|---|
| 住宅対象侵入窃盗(手口で数える) | 空き巣11,684件+忍込み4,784件+居空き684件 | 17,152件 |
| 住宅で発生した侵入窃盗(場所で数える) | 一戸建住宅13,744件+共同住宅(3階建以下)2,675件+共同住宅(4階建以上)1,588件 | 18,007件 |
場所で数えるほうには、倉庫荒しなど空き巣以外の手口も入ります。逆に手口で数えるほうには、住宅以外の場所で起きた空き巣も入ります。どちらが正しいという話ではなく、同じ令和7年でも、何を数えているかで件数が変わるということです。
この記事では、全体の大きさを言うときは17,152件を、住まいの形ごとの内訳を見るときは13,744件などの数字を使います。
空き巣、忍込み、居空きは何が違うのか
住宅を狙う手口は、警察庁の分類では3つに分かれます。分けている基準は家の人がそのときどうしているかです(警察庁「住まいる防犯110番」)。

| 手口 | 警察庁の定義 | 令和7年の認知件数 | 検挙件数 |
|---|---|---|---|
| 空き巣 | 家人などが不在の住宅の屋内に侵入し、金品を盗むもの | 11,684件 | 5,161件 |
| 忍込み | 夜間、家人などの就寝した頃を見はからって住宅内に侵入し、金品を盗むもの | 4,784件 | 2,316件 |
| 居空き | 家人などが昼寝や食事をしているすきに住宅内に侵入し、金品を盗むもの | 684件 | 374件 |
忍込みと居空きは、家の人がいるときに入られています。2つを足すと5,468件で、住宅を狙う被害の3件に1件近くを占めます。「留守にしなければ大丈夫」という考え方は、統計の上では成り立ちません。
侵入窃盗全体のなかでの位置

侵入窃盗全体で見ると、空き巣が24.7%で最も多く、警察庁も「空き巣が最も多く、侵入窃盗全体の約1/4を占めます。」としています。忍込み10.1%、居空き1.4%を足すと36.2%です。

| 発生場所 | 構成比 |
|---|---|
| 一戸建住宅 | 29.1% |
| 一般事務所 | 8.3% |
| 生活環境営業(ぱちんこ屋、ホテル・旅館、深夜飲食店等) | 6.7% |
| 共同住宅(3階建以下) | 5.7% |
| 商店 | 5.1% |
| 共同住宅(4階建以上) | 3.4% |
| 金融機関等 | 0.1% |
| その他 | 41.6% |
発生場所で最も多いのは一戸建住宅の29.1%です。事務所や店舗を含めた全体のなかでも、一戸建が単独で3割近くを占めています。
どの手口で入られているか。住まいの形で1位が変わる
ここからが本題です。警察庁「手口で見る侵入犯罪の脅威」は、住宅で発生した侵入窃盗を、住まいの形ごとに侵入手口で割った数字を公表しています。形が変われば1位の手口が変わるので、自分の住まいに当てはまるところを見てください。
一戸建住宅はガラス破りと無締りで大半を占める

| 侵入手口 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|
| ガラス破り | 5,802件 | 42.2% |
| 無締り | 5,706件 | 41.5% |
| 合かぎ | 364件 | 2.6% |
| ドア錠破り | 337件 | 2.4% |
| その他の施錠開け | 236件 | 1.7% |
| 戸外し | 134件 | 1.0% |
| その他 | 412件 | 3.1% |
| 不明 | 753件 | 5.5% |
ガラス破りが42.2%、無締りが41.5%で、この2つを足すと83.7%になります。一戸建の対策は、この2つをどうするかでほとんど決まります。
残りは合かぎ2.6%、ドア錠破り2.4%、その他の施錠開け1.7%、戸外し1.0%と、それぞれ数%です。「ピッキングが心配」という声をよく聞きますが、ピッキングとサムターン回しは「その他の施錠開け」ではなく別の分類に入っていて、件数はあとで見るとおりごくわずかです。
共同住宅(3階建以下)は無締りが1位

| 侵入手口 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 無締り | 1,268件 | 47.4% |
| ガラス破り | 495件 | 18.5% |
| 合かぎ | 346件 | 12.9% |
| その他の施錠開け | 84件 | 3.2% |
| ドア錠破り | 40件 | 1.5% |
| 戸外し | 17件 | 0.7% |
| その他 | 132件 | 4.9% |
| 不明 | 293件 | 10.9% |
3階建以下の共同住宅では、無締りが47.4%で1位です。被害の半分近くが、鍵がかかっていなかったものということになります。合かぎが12.9%と、一戸建の2.6%より大きいのも特徴です。
共同住宅(4階建以上)は合かぎが2位に上がる

| 侵入手口 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 無締り | 627件 | 39.5% |
| 合かぎ | 391件 | 24.6% |
| ガラス破り | 175件 | 11.0% |
| その他の施錠開け | 75件 | 4.7% |
| ドア錠破り | 32件 | 2.0% |
| 戸外し | 4件 | 0.3% |
| その他 | 69件 | 4.4% |
| 不明 | 215件 | 13.5% |
4階建以上になると、合かぎが24.6%で2位に上がります。オートロックがあっても、鍵そのものが渡ってしまえば意味がないということです。鍵を郵便受けや玄関まわりに置かない、複製を必要最低限にとどめる、といった話がそのまま効いてきます。

| 住まいの形 | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| 一戸建住宅 | ガラス破り | 無締り | 合かぎ |
| 共同住宅(3階建以下) | 無締り | ガラス破り | 合かぎ |
| 共同住宅(4階建以上) | 無締り | 合かぎ | ガラス破り |
警察庁はこの表について「いずれの形態の住宅でも、無締りでの被害が多く発生しています。日頃から出入口や窓には確実に施錠をする習慣を身につけましょう。」「ガラス破りやドア錠破りの被害も多く発生しています。防犯性能の高い建物部品(CP部品)を活用しましょう。」と書いています。
どこから入られているか
次に入り口です。手口と同じく、住まいの形で結果が大きく変わります。
一戸建は窓が57.9%

| 侵入口 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 窓 | 7,957件 | 57.9% |
| 表出入口(玄関) | 2,651件 | 19.4% |
| その他の出入口(勝手口など) | 1,837件 | 13.2% |
| 非常口 | 14件 | 0.1% |
| その他 | 366件 | 2.7% |
| 不明 | 929件 | 6.8% |
一戸建では、窓が57.9%と、玄関の19.4%の約3倍です。玄関の鍵をどれだけ強くしても、窓が普通のガラスのままなら全体の弱いところは変わりません。
見落としやすいのは「その他の出入口」の13.2%です。勝手口、浴室やトイレの小さな窓がここに入ります。警視庁も「2階の部屋や格子のある浴室やトイレの窓も施錠を確認するようにしてください。」としています。

共同住宅は玄関が半分以上

| 侵入口 | 共同住宅(3階建以下) | 共同住宅(4階建以上) |
|---|---|---|
| 表出入口(玄関) | 1,357件(50.7%) | 1,039件(65.4%) |
| 窓 | 928件(34.7%) | 347件(21.9%) |
| その他の出入口 | 88件(3.3%) | 24件(1.5%) |
| 非常口 | 記載なし | 1件(0.1%) |
| その他 | 46件(1.7%) | 22件(1.4%) |
| 不明 | 256件(9.6%) | 155件(9.8%) |
共同住宅では玄関が1位で、階が上がるほど割合が増えます。ただし4階建以上でも窓が347件(21.9%)あることは押さえておきたいところです。高層階だからベランダ側は無施錠でいい、とは言えません。
入り口が変われば、使われる手口も変わる
ここは競合の記事でもほとんど触れられていない点です。警察庁の統計資料には、侵入口と侵入手段を掛け合わせた表があります。一戸建の空き巣8,214件を見ると、次のようになっています。

| 入られた場所 | 件数 | うち無締り | うちガラス破り | うち施錠開け |
|---|---|---|---|---|
| 窓 | 5,006件 | 1,097件 | 3,577件 | 68件 |
| 表出入口(玄関) | 1,340件 | 764件 | 93件 | 251件 |
| その他の出入口 | 921件 | 395件 | 269件 | 65件 |
| その他 | 224件 | 72件 | 128件 | 3件 |
読み方はこうです。玄関から入られたケースは、半分以上が鍵のかかっていない状態でした。ガラスを破って玄関から入ったのは93件しかありません。一方で窓から入られたケースは、3,577件がガラス破りです。
つまり、玄関は「閉めるかどうか」、窓は「ガラスをどうするか」という、守り方の質が違う2つの問題になります。玄関に高い錠を付けても窓のガラス破りは減りませんし、窓に防犯ガラスを入れても玄関の閉め忘れは直りません。

2階の窓を軽く見ないでください。警察庁は下見のチェック項目として「足場になるものがあるか。」を挙げています。カーポートの屋根、エアコンの室外機、物置、脚立などが足場になります。
手口ごとに、何が弱点で、どう防ぐか
ここからは手口ごとに見ていきます。説明は警察庁「手口で見る侵入犯罪の脅威」の内容に沿っていますが、破り方の手順や使う道具の具体名は書きません。防ぐ側が判断するのに必要なのは「何を突いてくるか」であって、やり方ではないからです。
無締り。どの住まいでも上位2つに入る
警察庁は無締りについて「どんなに強固な防犯対策をとっても、無締りでは意味がありません。日頃から、施錠する習慣を身につけましょう。」としています。
件数で見ると、一戸建で5,706件、共同住宅(3階建以下)で1,268件、共同住宅(4階建以上)で627件です。共同住宅だけで1,895件、一戸建と合わせると7,601件になります。お金をかけずに減らせる可能性があるのが、この7,601件です。
警視庁は「ゴミ出しや買い物など、短時間の外出でも必ず戸締りをしましょう。」と書いています。数分の外出でも、その数分が狙われることがあるという話です。
ガラス破り。一戸建の1位
警察庁の説明は「窓ガラスを破壊し、そこから手を入れて解錠して侵入する手口。通常のガラスであれば、わずか数秒で破壊できます。近所への買い物やペットの散歩など、わずかな留守の間でも被害に遭う可能性があります。」です。
大事なのは「通常のガラスであれば、わずか数秒」という部分です。窓の鍵をいくら増やしても、ガラス自体が数秒で割れてしまえば、鍵の位置まで手が届いてしまいます。ガラス破りへの備えは、鍵ではなくガラスの側の問題です。
警察庁はガラスの種類ごとにバールによる打ち破り実験を行い、その結果を「ガラスの防犯性能」で公開しています。

| ガラスの種類 | 警察庁の評価 |
|---|---|
| フロート板ガラス | 最も一般的で、広く開口部に使用されている板ガラス。短時間で破壊され、防犯性能は望めない |
| 網入りガラス | 火災時の延焼、類焼を防ぐために金網を封入したガラス。防犯性能はフロート板ガラスと同様、期待できない |
| 強化ガラス | 同じ厚さのフロート板ガラスに比べ約3倍の耐風圧強度を持つが、防犯を目的としたガラスではない。防犯性能は期待できない |
| 防犯ガラス | 2枚以上のガラスの間に柔軟で強靱な中間膜を挟み、熱と圧力を加えて接着したもの。打ち破り試験で打撃を7回加えても十分な大きさの穴が開かない |
| 防犯フィルム(一枚全面貼り) | 多くが総厚350μm以上のポリエステル製。打撃を7回加えても破れにくく、剥がれにくい |
網入りガラスが防犯に効かないというのは、意外に思われるかもしれません。網が入っているので割れにくそうに見えますが、あの網は火災のときにガラスが落ちるのを防ぐためのもので、防犯のためのものではありません。
なお警察庁は実験について「本実験で使用したガラス及びウィンドウフィルムは、それぞれの種類ごとに、最も一般的に流通しているものを選択していますが、製品により本実験よりも高い防犯性能を示すものもあります。また、実験結果は、破壊する人の体力、技術等によって異なります。」と注記しています。目安として読むのが正しい使い方です。
防犯フィルムは、貼り方で結果が変わる
防犯フィルムには、性能よりも先に確かめたい点があります。貼る範囲です。

警察庁は「ウィンドウフィルムをクレセント付近のみに部分的に貼ることが一般的に行われていますが、打ち破り実験を実施すると、防犯建物部品でもA3サイズのフィルム(5mmのフロート板ガラスに貼付したもの)の場合は、1〜2回打撃を加えただけでフィルムの面積相当の大きさの穴が開いてしまいます。」と書いています。
そのうえで「官民合同会議では、防犯フィルムの貼付方法についてガラス露出部分への一枚全面貼りを条件としています。」としています。鍵のまわりだけに小さく貼ったフィルムは、想定された性能を出しません。
施工も条件です。警察庁は「防犯フィルムであっても、施工時の十分な水抜き、十分な養生など適切な施工がなされていなければ、本来の防犯性能が発揮されないことから、専門の施工業者に適切な施工を依頼する必要があります。」としています。警視庁も「専門の施工業者に貼付してもらうのが効果的です。」と書いています。
ドア錠破り(こじ破り)と戸外し
警察庁の説明を要約すると、ドアと枠の隙間に工具を差し込み、てこの原理でドア錠を壊して入る手口です。警察庁は「強引な方法ですが、通常のドアや錠では短時間で侵入されてしまいます。」としています。
件数は一戸建337件(2.4%)、共同住宅(3階建以下)40件、共同住宅(4階建以上)32件です。割合としては大きくありませんが、ドアと枠の隙間が突かれるという点がはっきりしているので、対策も具体的になります。
警察庁が挙げているのは「補助錠を取り付ける(ワンドア・ツーロック)。」「ドア枠にガードプレートを取り付ける。」の2つです。警視庁も、ドアとドア枠に隙間があると工具を差し込まれてドア錠を破壊される可能性があるとして、ガードプレートを挙げています。
警察庁「ドアの防犯リフォーム」には、目録に載っている錠(CP錠)を日本ロック工業会の「JLMA方式」で取り付ければ、こじ破りに対する防犯性能が大きく向上する、という説明もあります。ただし「官民合同会議の防犯建物部品目録に登載されている防犯建物部品のドアと同レベルの様々な手口に対応するものではありません。」という注意書きが付いています。
合かぎ。共同住宅ほど比率が高い
合かぎは、一戸建で364件(2.6%)なのに対し、共同住宅(3階建以下)で346件(12.9%)、共同住宅(4階建以上)で391件(24.6%)と、集合住宅で比率が跳ね上がります。
警察庁の対策は2つです。「ドアの鍵は持ち歩き、郵便受け等玄関付近に置かない。」「必要最低限の本数のみを複製し確実に管理する。」
警視庁はさらに「敷地内であっても郵便受けや鉢など屋外には合鍵を絶対に置かないようにしてください。」と書いています。警察庁は在宅時の心がけとして「合鍵の不正作製を防止するため、鍵を家族等以外の必要のない人には『見せない』『渡さない』、写真や動画で『写さない』。」も挙げています。鍵を写した写真をSNSに載せない、という話です。
ピッキングとサムターン回しは、実数で減っている
名前をよく聞く2つですが、件数は公表されていて、しかもはっきり減っています。
警察庁の統計では、ピッキングとサムターン回しをまとめて「特殊開錠用具関係」として数えています。住宅で発生した空き巣・忍込み・居空きの合計は、令和7年で25件でした。

| 年 | 空き巣 | 忍込み | 居空き | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 平成28年 | 117件 | 41件 | 3件 | 161件 |
| 令和2年 | 57件 | 34件 | 2件 | 93件 |
| 令和5年 | 38件 | 19件 | 0件 | 57件 |
| 令和6年 | 29件 | 6件 | 1件 | 36件 |
| 令和7年 | 19件 | 5件 | 1件 | 25件 |
理由のひとつは、錠そのものが強くなったことです。平成15年に制定された特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律(いわゆるピッキング防止法)に基づき、平成16年4月1日から、住宅の玄関などに使われる錠のうち防犯性能の向上を図ることが特に必要なもの(指定建物錠)には、防犯性能の表示が必要になりました。
ただし「減ったから気にしなくていい」という話ではありません。警察庁によるサムターン回しの説明は、玄関ドアの外側から穴を開けるなどして、サムターン(内側のドアロック用つまみ)を強引に回して侵入する手口、というものです。古い錠のまま何十年も使っているお宅では、当時の弱点がそのまま残っています。玄関の錠をいつ替えたか思い出せないなら、確かめておく価値はあります。
警察庁はカム送り解錠についても「特殊工具を用いて錠シリンダーを迂回し、直接錠ケース内部に働きかけてデッドボルトを作動させ解錠する手口。『バイパス解錠』とも呼ばれています。」と説明しています。こちらも、対応した錠に替えることが対策になります。
手口と対策の対応表

| 手口 | 警察庁が挙げている対策 |
|---|---|
| ガラス破り | 不在にする際には雨戸等を閉める/補助錠を取り付ける/防犯フィルムを貼り付ける/防犯ガラスや面格子、窓シャッターを取り付ける |
| ドア錠破り・戸外し | 補助錠を取り付ける(ワンドア・ツーロック)/ドア枠にガードプレートを取り付ける |
| 合かぎ | ドアの鍵は持ち歩き、郵便受け等玄関付近に置かない/必要最低限の本数のみを複製し確実に管理する |
| 無締り | 日頃から出入口や窓には確実に施錠をする習慣を身につける |
| 共通(環境の整備) | センサー付きライトを取り付ける/見通しの良いように植栽を剪定する/侵入の足場になるような物を置かない |
警視庁はこれに加えて、カメラ付きインターホン、集合住宅のオートロックシステム、見通しのよいフェンス、庭先に敷く砂利を挙げています。砂利については「侵入されても敷地内を歩くと音が鳴るため泥棒は嫌がります。」と書かれています。
手口の構成は毎年動いている

| 侵入手段 | 平成28年 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 |
|---|---|---|---|---|
| 認知件数 | 27,058件 | 11,788件 | 10,968件 | 11,575件 |
| ガラス破り | 11,249件 | 4,358件 | 3,891件 | 4,665件 |
| 無締り | 10,183件 | 4,213件 | 4,286件 | 3,864件 |
| 合かぎ | 1,324件 | 942件 | 846件 | 906件 |
| ドア錠破り | 850件 | 342件 | 324件 | 364件 |
| 戸外し | 146件 | 57件 | 70件 | 87件 |
令和6年は無締り4,286件がガラス破り3,891件を上回っていましたが、令和7年はガラス破り4,665件が無締り3,864件を上回り、順位が入れ替わりました。手口の構成は年によって動きますので、1年の数字だけで断定せず、傾向として読むのが安全です。
防犯の目標は「入られない」ではなく「5分持ちこたえる」
対策を選ぶときの物差しになる数字があります。警察庁「侵入者プロファイリング」の一節です。
「侵入に手間取り、5分かかると侵入者の約7割はあきらめ、10分以上かかると侵入者のほとんどはあきらめるといいます。『侵入に時間をかけさせる』。これが、侵入されるかどうかの大きなポイントになります。」

| 侵入にかかる時間 | あきらめる人の割合 |
|---|---|
| 2分以内 | 17.1% |
| 2分を超え5分以内 | 51.4% |
| 5分を超え10分以内 | 22.9% |
| 10分以上 | 8.6% |
日本防犯設備協会が公表している割合では、5分以内にあきらめる人が68.5%です。群馬県も「侵入に5分以上かかると約70%の泥棒が侵入をあきらめ、10分以上では約90%があきらめる、という調査結果が出ています。防犯対策は、『最低5分間は持ちこたえる対策』が必要です。」としています。
この「5分」が、あとで出てくるCP部品の基準にもなっています。完全に防ぐ装置を探すのではなく、5分の時間を作る、と考えると選びやすくなります。
いちばん効くのは、人の目

設備の話をしたあとで矛盾するようですが、警察庁は「侵入犯罪者の約6割が、『声をかけられたので犯行をあきらめた』と答えています。」と書いています。
警察庁は「侵入者は、『近所づきあいが良く、連帯感のある住宅街』を嫌います。犯行をあきらめた理由で多いのは、『近所の人に声をかけられたり、ジロジロ見られた』です。不審者を見かけたら、まずは『何かご用ですか?』などと声をかけましょう。」ともしています。
下見のチェック項目にも「立ち話をしている人がいないか。」「通行人が少ないか。」が挙がっています。人の目があるかどうかは、下見の段階から見られているということです。

| 見られている点 | 警察庁が挙げている項目 |
|---|---|
| 侵入しやすい家かどうか | 庭木など死角になるものがあるか/足場になるものがあるか/窓のクレセント錠の位置が開けやすいところにあるか/犬がいないか |
| 逃げやすいかどうか | 駅に近いか/立ち話をしている人がいないか/通行人が少ないか |
留守を見抜く方法についても書かれています。「侵入者が留守を見抜く方法で最も多いのが、意外にも『インターホンで呼んでみる』。インターホンが鳴って、出てみると誰もいない。こんな経験をしたことがありませんか。すぐに悪戯と判断しないで、安全を確保しながら、周囲に不審者がいないかどうかを確認してください。」
あわせて「郵便受けに新聞や手紙が溜まっているのも危険。旅行などで留守にする場合は、新聞をとめましょう。」ともあります。
CP部品とは何か。そしてどこまで信じていいか
対策を調べると必ず出てくるのが「CP部品」です。警察庁の説明を整理します。
平成14年11月25日、警察庁は国土交通省・経済産業省や建物部品関係の民間団体とともに「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」を設置しました。平成15年10月10日から建物部品の防犯性能試験を始め、平成16年3月26日に、「侵入までに5分以上の時間を要する」など一定の防犯性能があると評価された建物部品15種類、計約2,300品目を掲載した「防犯性能の高い建物部品目録」を公表しています。
平成16年5月19日には共通標章としてCPマークが決まりました。警察庁は「『防犯性能の高い建物部品目録』に掲載・公表された建物部品のみを『防犯建物部品』と呼び、『CPマーク』の使用が認められるのです。」としています。

目録を運営しているのは公益財団法人全国防犯協会連合会です。目録検索システムによると、2026年9月2日現在で17種類3,550品目が掲載されています。警察庁のサイトには「令和8年3月末現在、17種類3,545品目」とあり、半年で5品目増えた形です。
なお、掲載数の一覧を見ると、3,550品目のうち1,484品目は販売終了です。目録に名前があっても今買えるとは限らないので、製品を選ぶときは流通しているかどうかを確かめてください。
| 種類 | 掲載数 | うち販売終了 |
|---|---|---|
| ドア(A種・主に3階建以下の低層住宅用) | 590 | 163 |
| ドア(B種・主にビル、マンション用) | 677 | 318 |
| 引戸 | 77 | 29 |
| 錠 | 135 | 69 |
| 電気錠 | 25 | 13 |
| 1ドア2ロックセット | 17 | 13 |
| シリンダー | 49 | 29 |
| サムターン | 37 | 18 |
| サッシ 引き形式(低層住宅用) | 346 | 139 |
| サッシ 上げ下げ形式(低層住宅用) | 97 | 42 |
| ガラス | 173 | 110 |
| ウィンドウフィルム | 33 | 23 |
| 雨戸 | 13 | 4 |
| 面格子 | 176 | 47 |
| 窓シャッター | 88 | 79 |
| 合計(17種類すべて) | 3,550 | 1,484 |
CPマークに付いている3つの注意書き
ここが大事です。目録には、利用にあたっての注意が3つ書かれています。

- 「目録に掲載された建物部品は、一定の試験基準に合格した製品ですが、あらゆる状況において5分間以上侵入を阻止できるということではありません。」
- 「試験の時間は一部を除いて5分間を上限としていますので、同じカテゴリー(種類)に属する製品の中に耐久時間が5分を若干上回る程度のものから数十分の攻撃に耐えうるものまで、さまざまなグレードの製品が含まれます。」
- 「製品が指定する施工条件に従って適切に施工されたときに限り、その本来の防犯性能を発揮します。」
CPマークが付いていれば絶対に防げる、という読み方はできません。同じCPマークでも、5分を少し超える程度のものから数十分持つものまで幅があります。そして、正しく施工されていなければ本来の性能は出ません。フィルムの全面貼りの話と同じで、設置のしかたまで含めて性能だということです。
玄関の錠は、表示を見て選べる
錠については、もう少し細かく比べられる仕組みがあります。指定建物錠の防犯性能の表示制度です。特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律の第7条に基づき、平成16年4月1日から、指定建物錠には防犯性能の表示が必要になりました。

| 表示される性能 | 区分 | 表示する部品 |
|---|---|---|
| 耐ピッキング性能 | 5分未満/5分以上/10分以上 | シリンダー錠、シリンダー |
| 耐かぎ穴壊し性能 | 5分未満/5分以上/10分以上 | シリンダー錠、シリンダー |
| 耐サムターン回し性能 | なし(5分未満)/あり(5分以上) | シリンダー錠、サムターン |
| 耐カム送り解錠性能 | なし(5分未満)/あり(5分以上) | シリンダー錠 |
| 耐こじ破り性能 | なし(5分未満)/あり(5分以上) | シリンダー錠 |
| 出荷するかぎの本数 | 何本 | シリンダー錠、シリンダー |
警察庁は「建物錠は、防犯性能で選びましょう。」としています。「耐サムターン回し性能 あり」と書いてあれば5分以上の性能がある、という意味です。ここでも基準は5分です。
目録に載っている17種類は、ドア(A種)、ドア(B種)、ガラスドア、上げ下げ内蔵ドア、引戸、ガラス引戸、錠、サッシ、ガラス、ウィンドウフィルム、雨戸、面格子、窓シャッター、重量シャッター、軽量シャッター、オーバーヘッドドア、シャッター用スイッチボックスです。警察庁は「建物への侵入経路は、ほとんどが窓やドアなどの開口部です。官民合同会議では、これら開口部に用いられる建物部品を対象にしました。」としています。
「何時が危ない」は、統計では言い切れない
防犯の記事では「空き巣が多いのは昼間」といった書き方をよく見ます。ただ、公表されている統計を見にいくと、そう単純には言えないことが分かります。

日本防犯設備協会が公表している令和6年の時間帯別のデータを見ると、侵入盗の総数43,036件のうち、発生時間帯が「不明」のものが39,013件あります。時間帯が分かったのは4,023件で、全体の9.3%にすぎません。
| 時間帯 | 認知件数 |
|---|---|
| 0時から2時 | 671件 |
| 2時から4時 | 625件 |
| 4時から6時 | 335件 |
| 6時から8時 | 232件 |
| 8時から10時 | 271件 |
| 10時から12時 | 290件 |
| 12時から14時 | 295件 |
| 14時から16時 | 258件 |
| 16時から18時 | 214件 |
| 18時から20時 | 275件 |
| 20時から22時 | 261件 |
| 22時から24時 | 296件 |
| 不明 | 39,013件 |
| 総数 | 43,036件 |
同じことは都道府県の統計でも起きています。神奈川県警察が公表している令和8年8月時点の暫定値では、空き巣334件のうち324件が「不明」です。忍込みは126件のうち114件、居空きは22件のうち15件が「不明」でした。
理由ははっきりしています。空き巣は家の人がいないあいだの出来事なので、本人が「何時に入られた」と言えないのです。帰宅して初めて気づくため、警察の統計でも時間帯が特定できません。
ですから、この記事では「何時が危ない」とは書きません。代わりに、手口の定義がそのまま時間の構造を表していることを押さえてください。空き巣は留守のあいだ、忍込みは夜間の就寝中、居空きは在宅中の昼寝や食事のすきです。3つ合わせると、1日のほとんどの時間が対象になります。
なお、曜日別の統計については、警察庁と警視庁の公表資料を確認しましたが、侵入窃盗の曜日別を掲載したものは見つかりませんでした。「この曜日が危ない」という記述を見かけたら、出典を確かめることをおすすめします。
狙われやすいのはどういう住まいか

警察庁の統計資料には、世帯構成別に10万世帯当たりの認知件数を出した表があります。住宅で発生し、主たる被害者の年齢が判明しているものに限った数字で、総務省住宅・土地統計調査(令和5年)の主世帯数をもとに算出されています。
| 世帯 | 一戸建住宅 | 共同住宅(4階建以上) | 共同住宅(3階建以下) |
|---|---|---|---|
| 単独世帯・30歳未満 | 244.6 | 22.8 | 34.4 |
| 単独世帯・30歳から64歳 | 84.3 | 9.7 | 18.6 |
| 単独世帯・65歳以上 | 38.0 | 3.8 | 8.1 |
| 夫婦のみ世帯・65歳未満 | 29.7 | 5.3 | 9.3 |
| 夫婦のみ世帯・65歳以上 | 19.5 | 1.4 | 3.7 |
| その他の世帯 | 19.9 | 7.8 | 16.0 |
| 合計 | 27.1 | 8.3 | 17.8 |
30歳未満のひとり暮らしで一戸建に住んでいる世帯の244.6件が突出しています。全体の平均は20.2件、一戸建の平均は27.1件ですから、9倍前後です。母数が小さい区分なので数字が振れやすい点は割り引く必要がありますが、目立った差であることは確かです。
忍込みの傾向は少し違います。認知件数の合計4,597件のうち、一戸建住宅が4,206件です。忍込みはほぼ一戸建で起きています。夜間に人が寝ているあいだの侵入なので、建物の構造の違いがそのまま出ていると読めます。
居空きも同じで、合計666件のうち一戸建住宅が529件です。共同住宅(4階建以上)は49件、共同住宅(3階建以下)は88件でした。
在宅中の侵入と、侵入強盗
数としては多くありませんが、触れておきたい話があります。

令和7年の侵入強盗の認知件数は349件で、前年比-2.2%と減っています。ただし住宅を対象としたものは146件で、前年比+13.2%と増えています。発生場所を見ると、一戸建住宅22.1%、共同住宅(3階建以下)10.3%、共同住宅(4階建以上)9.5%で、住宅を対象としたものが全体349件中の41.9%を占めます。
侵入強盗に伴う身体犯(強盗殺人・致死、強盗傷人、強盗・不同意性交等)は128件で、前年比-3.8%でした。検挙件数は314件、検挙人員は422人です。
警察庁は「最近では、家人の在宅の有無にかかわらず、窓ガラスを破壊して住宅に押し入る等悪質な手口による侵入窃盗・強盗事件が発生しています。」としています。在宅なら安全とは限らない、という点だけ押さえておけば十分です。件数は侵入窃盗17,152件に対して349件ですから、確率で言えばごくまれな出来事です。
警察庁が挙げている注意は次のとおりです。
- 自宅に多額の現金を保管せず、金融機関への預貯金等を活用しましょう。
- 自宅の戸締まりを徹底し、防犯性能の高い建物部品や防犯カメラ等を設置しましょう。
- 電話で在宅状況、家族の状況、資産状況等を聞かれても答えないようにしましょう。
- 業者等を装って下見に来る可能性もありますので、訪問者の確認は、ドアスコープやインターフォン越しなどで行い、少しでも不審に感じた場合は、ためらうことなく110番通報しましょう。
宅配は、非対面で受け取れる

警察庁は、宅配事業者を装った強盗等への対策として、佐川急便株式会社、日本郵便株式会社及びヤマト運輸株式会社と協議し、次の内容で合意しています。
「宅配事業者は、顧客に荷物を配達する際、在宅している受取人がインターフォン等を通じて非対面での荷物の受取を希望した場合には、事業者の定める方式に基づき、原則として受取人の意向に沿うよう努めること。」
国民向けには「宅配事業者を装った強盗等事件に対する防犯対策として、非対面での受取を希望する場合は、インターフォン等を通じて、配達員にその意向を伝えましょう。」と呼びかけています。断りにくいと感じる必要はありません。事業者側と合意ができている話です。
東京都内の数字
お住まいが東京都内の方向けに、警視庁「令和7年版 東京の犯罪」の数字も見ておきます。令和7年の都内の侵入窃盗の認知件数は2,698件でした。

| 項目 | 東京都内(令和7年) |
|---|---|
| 侵入手段 無締り | 46.7% |
| 侵入手段 ガラス破り | 26.7% |
| 侵入手段 施錠開け | 15.9% |
| 侵入手段 ドア錠破り | 1.2% |
| 侵入口 出入口 | 56.1% |
| 侵入口 窓 | 43.4% |
全国の一戸建の数字と比べると、都内は無締りの比率が高く、ガラス破りの比率が低いのが特徴です。共同住宅が多い土地柄が出ていると読めます。侵入口も出入口が56.1%で、窓の43.4%を上回っています。
警視庁は「侵入窃盗のうち、『空き巣』、夜間家人等の就寝時に住宅の屋内に侵入し金品を窃取する『忍込み』、家人等が在宅し昼寝や食事等をしている隙に住宅の屋内に侵入し金品を窃取する『居空き』など、住宅を狙った手口が38.3%を占めます。」としています。
発生場所は、一戸建て住宅17.5%、中高層住宅12.5%、その他の住宅10.3%、飲食店等13.2%、会社・事務所9.7%、空き家9.3%、商店等7.6%、工事現場3.1%、学校(幼稚園)2.6%、その他14.2%でした。
結局、何から手を付けるか
統計の多い順に並べると、手を付ける順番は自然に決まります。

| 順番 | やること | 根拠になる数字 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 戸締りの習慣をつくる | 無締りは一戸建5,706件、共同住宅1,895件 | 0円 |
| 2 | 窓に補助錠を足す | 一戸建の侵入口の57.9%が窓 | 数千円から |
| 3 | ガラスを手当てする(防犯フィルムの全面貼り、防犯ガラス、面格子、窓シャッター、雨戸) | 一戸建の手口の42.2%がガラス破り | 施工費を含めて見積もりを取る |
| 4 | 玄関とその周りを整える(ツーロック、ガードプレート、センサー付きライト、カメラ付きインターホン) | 共同住宅の侵入口の5割以上が玄関 | 商品と工事による |
1番目には費用がかかりません。それでいて、一戸建5,706件と共同住宅1,895件、合わせて7,601件の被害に直接効きます。防犯グッズを買う前に、まずここです。

3番目と4番目には費用がかかります。ただ、自治体によっては補助金が使えます。東京都は「都民の体感治安の悪化や防犯意識の高まりを踏まえ、自宅に設置する防犯機器等の購入に対する補助事業を、令和7・8年度における2年間の緊急対策として実施しています。」としています。
この制度は区市町村を通じた間接補助で、「補助対象物品や補助金額等の制度内容は、区市町村によって異なりますので、詳細はお住まいの区市町村へご確認ください。」と書かれています。補助率も上限額も締切も自治体ごとに違うため、お住まいの自治体の条件を先に確かめてください。区市町村ごとの条件は東京都の防犯カメラ補助金のまとめ記事で整理しています。
東京都の制度そのものは東京都「令和8年度東京都防犯機器等購入緊急補助事業」で確認できます。なお「令和7年度に東京都の補助金の交付を受けた方は、令和8年度に再度東京都の補助金の交付を受けることはできません。」という条件があります。補助金は予算の上限に達した時点で受付を終える自治体が多いので、使うつもりなら早めに動くほうが確実です。
今日できること

- ゴミ出しや買い物など、短時間の外出でも必ず戸締りをする
- 2階の部屋、格子のある浴室やトイレの窓も施錠を確認する
- 在宅時でも、出入口と人のいない部屋の窓に鍵をかける
- 合鍵を郵便受けや植木鉢など、玄関の周りに置かない
- 脚立やポリバケツなど、足場になりそうな物を外に置かない
- 新聞や郵便物をためない。長期の留守は配達を止めてもらう
- 旅行中の写真を、旅行当日にSNSへ投稿しない
- 訪問者はドアスコープやインターホン越しに確認してから開ける
- 庭木が死角をつくっていないか、外から自分の家を見てみる
- 不審に感じたら、ためらわずに110番通報する
最後の項目は、警察庁も警視庁も繰り返し書いています。「不審を感じた場合には、ためらうことなく110番通報すること。」あきらめた理由の約6割が人の目だったという数字を思い出してください。
あわせて読みたい記事 → 下見で見られる点とお金のかからない順の対策は空き巣に狙われやすい家の特徴と対策、玄関の内側のつまみを回される手口はサムターン回しとは、届いた荷物の盗難は置き配の盗難、まず何をする?、つきまといの相談先と住まいの守り方はストーカー対策にまとめています。
よくある質問
Q. 2階の窓は施錠しなくても大丈夫ですか?
大丈夫とは言えません。警視庁は「2階の部屋や格子のある浴室やトイレの窓も施錠を確認するようにしてください。」と書いています。警察庁の下見のチェック項目にも「足場になるものがあるか。」が挙がっており、カーポートの屋根や室外機が足場になります。
Q. マンションの高層階なら窓は安心ですか?
共同住宅(4階建以上)でも、侵入口が窓だったものが347件(21.9%)あります。玄関が65.4%で最も多いのは確かですが、窓がゼロではありません。ベランダ側の掃き出し窓は施錠を習慣にしてください。
Q. 網入りガラスは防犯ガラスですか?
違います。警察庁は網入りガラスについて「火災時にガラスが割れ落ちて火炎が貫通することによる延焼、類焼を防ぐために金網を封入したガラスです。防犯性能は、フロート板ガラスと同様、期待できません。」としています。網は防火のためのもので、防犯のためのものではありません。
Q. 防犯フィルムは鍵の周りだけ貼れば足りますか?
足りません。警察庁の実験では、A3サイズのフィルムを5mmのフロート板ガラスに貼った場合、打撃を1〜2回加えただけでフィルムの面積相当の穴が開いたとされています。官民合同会議は、ガラス露出部分への一枚全面貼りを条件にしています。
Q. CPマークが付いていれば絶対に入られませんか?
そうは言えません。目録には「目録に掲載された建物部品は、一定の試験基準に合格した製品ですが、あらゆる状況において5分間以上侵入を阻止できるということではありません。」と明記されています。試験の上限が5分であることと、施工条件どおりに施工されたときに限り性能を発揮することも書かれています。
Q. ピッキング対策の錠にしていれば安心ですか?
警察庁は「『ピッキング対策が採られている錠だから大丈夫。』と安心していませんか?泥棒や強盗は、ピッキングの他にもサムターン回しなど様々な方法で侵入してきます。」としたうえで、ドアをこじ破る荒っぽい手口も多発していると書いています。指定建物錠の表示には耐ピッキング性能のほか、耐サムターン回し性能、耐カム送り解錠性能、耐こじ破り性能の項目があるので、そちらも見てください。
Q. サムターン回しは増えているのですか?
統計上は減っています。ピッキングとサムターン回しを合わせた「特殊開錠用具関係」は、住宅で発生した空き巣・忍込み・居空きの合計で、平成28年の161件から令和7年は25件になりました。ただし古い錠を使い続けているお宅では、当時の弱点が残っている可能性があります。
Q. 空き巣が多い時間帯はいつですか?
公表されている統計では特定できません。令和6年の侵入盗43,036件のうち、発生時間帯が判明しているのは4,023件だけで、39,013件は「不明」です。家の人が留守のあいだの出来事なので、本人が時刻を言えないためです。手口の定義で見ると、空き巣は留守のあいだ、忍込みは夜間の就寝中、居空きは在宅中の昼寝や食事のすきになります。
Q. ひとり暮らしは狙われやすいのですか?
10万世帯当たりの空き巣認知件数で見ると、30歳未満の単独世帯で一戸建に住む区分が244.6件と、一戸建の平均27.1件を大きく上回っています。母数が小さい区分なので振れやすい数字ではありますが、目立った差です。
Q. 宅配の受け取りを断っても失礼になりませんか?
警察庁は佐川急便、日本郵便、ヤマト運輸と、在宅していても非対面での受取を希望した場合には原則として受取人の意向に沿うよう努めることで合意しています。インターホン越しに希望を伝えれば、事業者の定める方式で対応してもらえます。
Q. 防犯カメラを付ければ手口の対策になりますか?
警察庁は在宅時の心がけとして「自宅の戸締まりを徹底し、防犯性能の高い建物部品や防犯カメラ等を設置しましょう。」と挙げています。ただし、ここまで見てきたとおり、件数で最も多いのは無締りとガラス破りです。カメラは記録と抑止のための設備で、入り口そのものを固くするものではありません。順番としては戸締りと窓の手当てが先になります。
Q. 補助金はどこで確認できますか?
東京都内なら、まずお住まいの区市町村の公式ページです。東京都の制度は区市町村を通じた間接補助で、補助率も上限額も締切も自治体ごとに違います。区市町村別の条件は東京都の防犯カメラ補助金のまとめ記事にまとめています。予算の上限に達した時点で受付を終える自治体があるため、年度の早いうちに確認するのが確実です。
出典一覧
この記事で使った数字と引用の出典です。いずれも2026年9月23日に確認しました。
- 警察庁「住まいる防犯110番 データで見る侵入犯罪の脅威」(認知件数・発生場所別・手口別)
- 警察庁「住まいる防犯110番 手口で見る侵入犯罪の脅威」(侵入手口・侵入口・手口別の対策)
- 警察庁「住まいる防犯110番」(空き巣・忍込み・居空きの定義)
- 警察庁「住まいる防犯110番 器具で見る侵入犯罪の脅威」
- 警察庁「住まいる防犯110番 侵入者プロファイリング 心理と行動3」(5分の壁)
- 警察庁「住まいる防犯110番 侵入者プロファイリング 心理と行動1」(下見のチェック項目)
- 警察庁「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」
- 警察庁「CPマーク」
- 警察庁「防犯性能の高い建物部品目録」(17種類の種別・3つの注意書き)
- 警察庁「ガラスの防犯性能」(打ち破り実験)
- 警察庁「ドアの防犯リフォーム」
- 警察庁「指定建物錠の防犯性能の表示制度」
- 警察庁「みんなで侵入犯罪に強いまちづくり・住まいづくり」
- 警察庁「令和7年の刑法犯に関する統計資料」(PDF)
- 警察庁「犯罪情勢」(統計資料の一覧)
- 警察庁「住まいの防犯対策」(宅配事業者との合意)
- 警察庁「侵入犯罪に強い住まいづくりを!!」(PDF)
- 警視庁「侵入窃盗の防犯対策」
- 警視庁「防犯環境設計による防犯対策」
- 警視庁「令和7年版 東京の犯罪」(PDF)
- 全国防犯協会連合会「防犯性能の高い建物部品目録検索システム」
- 全国防犯協会連合会「防犯性能の高い建物部品目録掲載数」(PDF)
- 全国防犯協会連合会「窃盗の防犯対策」
- 日本防犯設備協会「住宅を対象とした侵入犯罪関連データ」(時間帯別・あきらめる時間)
- 神奈川県警察「刑法犯 罪名別 時間帯別 認知件数」
- 群馬県「侵入盗の防犯対策」
- 東京都「令和8年度東京都防犯機器等購入緊急補助事業」
統計は毎年更新されます。この記事の数字は令和7年のもので、令和8年の数字が公表されたら差し替えます。数字を引用されるときは、各出典の最新版をご確認ください。
最後にもう一度だけ。いちばん多い被害は、鍵がかかっていなかったものです。一戸建5,706件、共同住宅1,895件。費用は0円です。今日、家を出るときの一手間から始めてください。




